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ドクター・コール

”何方(どなた)か、ドクターまたはナースの方はご搭乗でしょうか?”

本年8月に、ケリー先生の御子息、カレン君の結婚式に出席したことは、記載した。
その帰りの離陸前に、サンフランシスコ空港の離発着の一コマを写真でご紹介した。

さて、離陸が済んで、飲み物のサーヴィスが始まり、1時間程過ぎるとランチ
が配られた。

機内食も一つの楽しみ、でもコンパクト過ぎて物足りなく感じるのは私だけだろうか?
”Do you have some extra salad?”
お代りでサラダが欲しい時に、定数以上の食事がある場合、この様な問い掛けをすると
サーブしてくれることがあるので、試してみよう。(当然、ストックが無ければ貰えません)

お腹も一杯、コーヒーをお代りした後に、ヘッドフォンから80年代のポップスを選曲
して、楽しみながらウトウトしてた。

太平洋をズンズンと東京へ向かって5時間程経った頃だろうか・・・

表題の”ドクター・コール”がヘッドフォンから流れて来た。

モニターがアラーム音を発する時は、危機的状況!!!
そのアラームが警告する内容に即座に対応せよ!!!
というトレーニングを国立小児病院・宮坂勝之先生から叩き込まれている。

即座に反応した私は、パーサー(以下P:)の元へ駆け寄った。

P:”先ほどから、下痢と嘔吐が酷い女性がいらっしゃいます。”
”何かしてあげることは、出来ないでしょうか?”

との相談があった。

T:”ちょっと、状況を聞いてみましょう。”
”何時頃からでしょうか?”

お客さん(以下L:)
L:”メキシコから、サンフランシスコを経由して東京へ帰る途中です。”
”昨日から、お腹の調子が悪いのと、今朝飛行機に乗る前位から気持ち悪くて。”
”フライトが始まって、少ししたら吐き出してしまいました。”

下痢・嘔吐という、急性腹症(俗に云う、腹痛(はらいた)・消化管障害)の
典型例であるが、丁度、今年の8月は、新型インフルエンザが猛威を振るっていた。
ましてや、インフルエンザの感染地域・ホット・スポットであるメキシコからの
帰国の途中。

そこへ、女性ナースが名乗りを上げて、バックアップしてくれた。

私には、フライト・アテンダントの友人がいて、クラッシュカート小型版を飛行機に
積載していることを聞いていた。そして、それは医師・歯科医師・看護師であれば、
使用許可されることも知っていた。

T:”ナースの方は、吐瀉物に触る際には手袋をして、横向き(側臥位)にして、保温を。”
”恐れ入りますが、パーサーの方は救急セットを出して下さい。”
とお願いした。

程なく、救急セットが届いた。
先ずはともあれ、血圧等のバイタル・サインの確認を行うとともに、
急性腹症とインフルエンザ感染を区別する”鑑別診断”を行わなくてはならない。
インフルエンザとなると、回りにいるフライト・アテンダントと我々医療職、
そしてお客さんから、ある程度その方を遠ざける必要があるからだ。

救急セットから、体温計を探し出して、体温測定を行った。
不幸中の幸い、発熱は無く、恐らく食あたりであろう、と考えられた。

急性腹症には、色々な病気が潜んでいる。
軽症の食当たりから、
中には、大動脈瘤が破裂してお腹が痛い、と訴える患者さんもいて、
一歩間違えると命に影響する大変なことになりかねない。

血圧も保たれて、意識が無くなってしまうこともないこと、30歳代のお若い年齢から、
腹部に大出血が潜む可能性は否定的に診ることができる。
(大出血してしまうと、脳へ血液が回らず、意識が無くなってしまうことに基づく。)

私は、輸液が必要と考え、救急セットから生理的食塩水500mlバッグと
点滴回路を探し出した。
バッグに点滴回路をズブッと刺して、回路内の空気を追い出し生理的食塩水で満たした。

お客さんの袖を捲り、駆血帯を巻こうとした。
駆血帯とは、静脈の血液を心臓へ戻さない様に、腕を縛ると血管が血液で満たし、
浮き上がらせる為に用いるバンドだが、そんなものは無かった。
ナースに手伝って貰って、両手でお客さんの腕を握って貰う。
手の甲に、点滴の針をスッと刺し入れた。
正に野戦病院状態・・・

”ライン確保!!!”(ラインとは点滴を示す、医療業界用語デス)
と言うと、ナースが点滴回路を直ぐに繋げてくれた。
トクトクと生理的食塩水がお客さんの血管へ流れ込み、水分補充となっていく。

少し経つと、患者さんの頬に紅が差してきた。楽になった、とのこと。
しかし、そうは言っても、点滴だけでは“対症療法”であって、
“原因除去療法”ではないので、下痢と嘔吐が治まる訳ではない。

T:“帰国したら、検疫の方に、潜伏期のインフルエンザは完全に否定できないが、
発熱はありません。多分食当たりでしょう。点滴を1バック入れて様子を診ました、
という旨の申し送りをお願いします。”

“この件に関与したフライト・アテンダント、医療職の方々は直ぐに石鹸とお湯で
手洗いをしっかり行い、うがいもして下さい。”

と、パーサーの方に二次感染予防と帰国迄の間、このお客さんのケアをお願いして、
またまどろんだ。

到着寸前に、パーサーの方が、スッと寄って来てくれた。
P:“本当に助かりました。”
”先生のおっしゃる様に、吐き気と下痢は止まらないみたいですが、
かなり楽になったみたいです。”

“お礼といってはなんですが、これをお持ちになって下さい!!!”
とシャンペンを1本頂いた!!!

ほんの少し手助けをしただけなので、面映ゆかったが、
ご厚意に甘えてシャンペンを頂くことにした。とても嬉しかった。

そして、歴戦の猛者ナースやフライト・アテンダントとは、連絡も着かない
一期一会の出会いでもあった。
そんな偶然の出会いの中で、物品不足にも関わらず即席とは思えない、
彼女達の素晴らしいチーム・ワークと対応を誇りに思う。

Flight on UA

左で、お客さんの介抱を手伝ってくれる日本人パーサーの方と、
毛布を掛けて看病と私のサポートして下さったナースの方達。
緊急事態では、物品や場所が無いから、なんて間抜けなことを言ってられない。
野戦病院での映像を見ていたり、遠征先のホテルで選手の介抱をした経験がある
私は、ナースの彼女と力を合わせて、対応した。
毛布を敷いて、簡易ベッドを作成し、枕と毛布を掛けて保温を行った。嘔吐に
対応(吐いた物を逆流させない)する為、
横向き(昏睡体位・Coma position)にしているのが分る。
枕元には、吐瀉物を床へ漏らさない様に、プラスティック・バッグを用意した。
点滴を吊るスペースとなるノッチを、ギャレー(食事や飲み物を用意するスペース)
のカートを収納する上部に、見つけ、其処へ輸液バッグを吊るし、点滴を行った。
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飛行機の中で・・・

8月に、ケリー先生の御子息の結婚式に伺った。

前後するが、サンフランシスコ国際空港から東京へ出発する際に、機内から窓を通じて
写真を撮ってみた。

主翼の位置と殆ど同じであるのが、写真から分ると思う。
因みに、”主翼近辺のシート”は、
独楽(こま)の原理である、軸と同様で、一番揺れが少ない。
飛行機酔いが酷い方は、
早めに空港へ行って、シートを主翼近辺にしてもらうとベターです。
飛行機酔いを防ぐ方法は、後数種類あるので、これは後ほどお知らせしたいと思う。

ターボ・ファン・ジェット・エンジンも微かだが、主翼の下に見える。
そして、滑走路の反対側では、我々の次に離陸予定の飛行機が、ゆっくり
移動しているのも見える。

ナイス・ショット!!!と思ったのだが・・・

デジカメの液晶画面に、
”飛行機の中では電源を入れて良いか、ご確認下さい”
と出てしまって、びっくり仰天。

そうだ、
離発着の際には、電子機器は電源を入れない。
携帯は出発ターミナル~到着ターミナル間は電源を入れない!!!を思い出した。

サンフランシスコでの、写真での思い出は、これが最後になってしまった!!!
飛行機の中では、デジカメが警告を発する様な、電波が出ているのだろうか???

処がである・・・・・

太平洋上で、緊急事態が生じてしまった!!!!!
その時は、水平飛行していたので、シャッターを切った。
その内容は、そのうちに披露したいと思う。

UA I

サンフランシスコ・ベイ(湾)にある、サンフランシスコ国際空港
離陸すると、美しい太平洋が眼下に広がる

とある、レストランのレストルームにて

ケリー先生と出会った際に、色々とレストランへ連れて行って頂いた。

よく繁盛している飲食店は、お手洗いの清掃をキチンと念入りにされているのは
古今東西不変のことであろう。

そこで、とある繁盛しているレストランのお手洗い
(アメリカでは、レスト・ルームとかバス・ルームと呼び、
あまり直接表現する様なことが無いのも、面白いと思う。)
へ入った時に、見かけた
”標語”
が面白くて、シャッターに収めた。

at bathroom

従業員覚書

石鹸”温かい水”
(英語では、温かくても、冷たくても水と表現する。お湯・お水とは言わない。)
で手を洗うことをお忘れなきよう、お手洗いを出る前に。
とプラスティック・ボードに記載があり、ドアに貼り付けてある。

従業員がお手洗いから出る際に、否が応でも目に入る算段だ。
勿論、お客さんへも手洗いを促す、注意喚起になっている。

海外では、手洗いに関する方法を、この様な標語を用いて、一般へ啓蒙している。
日本のレストランでは、石鹸こそ最近置いている処は多くなったが、
お湯で手洗いが出来ない処が、まだまだ多い。

冷たい水で手を洗うと、チャチャチャっと簡単に済ませてしまうのは、
人間の偽ざる行為であろう。
一方、お湯で手を洗えば、冷たいという理由からの手抜き・サボって手を洗うことが
無くなり、且つ洗浄効果が高まる。

コストも重要だが、お客様本位、という部分では、この様な改善が必要とされるのでは?
また、洗面所のお湯の栓を捻ろうとしたら、フェイクで興醒め・・・
と素朴な疑問を持つのは、私だけであろうか・・・

現在、インフルエンザが猛威を振っている。
頻繁に手洗いとうがいを行うことで感染予防が可能であり、その手洗いの効果・効率を
上げる為に、石鹸と”お湯”で行って頂ければと思う。
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