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“安全とは何か”を考える IV バーチャル症例検討会(21)

大手旅行会社と比して、中小の旅行会社は独自性を出さないと勝負にならない。
そして、90年代後半からブームとなった秘境ツアーがその追い風とみる。
そういった話もあった。

この事故が生じてからTBSの報道で知ったが、トムラウシ山で犠牲となられた
ご遺族の元へ犠牲者名宛に今回の万里の長城ツアーの案内が送られてきたとのこと。

一度起きてしまったことは、きちんと再検証をしてから前進しなくてはならない。
事後検証が甘いまま、販売一辺倒となり、犠牲者の方への配慮なく、
その配慮が無かった点として、犠牲者(元顧客)情報の更新をせずに、
新たな旅の販促目的の手紙が届いたことは、想像するに堪えない。

この旅行会社は廃業することにしたというが、
責任が何処かへ埋没してしまうことを憂いている。

確かに、旅行に危険は憑き物だ。
ビギナーを仕事として山や秘境へ連れていく以上、
万が一の想定があってはならない。
我々も、この一件を他山の石として、着手前に情報源(ニュース・ソース)を
精査してから、着手せよ、と伝えて下さっているのだと思う。

危険から逃れるには、事前の準備と予習。

そして、
・危険を感じた地域には足を踏み入れない
・危機感を感じた初期の段階で、撤退を考え実行する
ということが、遭難を防ぐ予防策の一環だろう。

被害者の方々、遺族の方々にとっては、未来に渡って癒されることのない
事故であるが、何時までも、忘れることなく我々への警鐘と胆に命ずることで、
ご冥福を祈ることになれば、と思う。

合掌

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“安全とは何か”を考える III バーチャル症例検討会(21)

以前、万里の長城を八達嶺入口から登ったことを記載した。

その時は熱い夏の時期だったので雪の心配はないものの、
観光用に整地されたとはいえ、エラいゴツゴツとした
煉瓦積みの長城の路面は傾斜が著しく、歩行は困難を極めていた。

下記をクリックすると参照できます・16回シリーズになっています
北京

今回犠牲になられた方々が向かった先は、観光用の整地のない、
人が足を踏み入れない万里の長城を歩くトレッキングの旅だったという。
8日間で100㎞を踏破する予定であったとのこと。
煉瓦が積まれてよく本や写真などで見ることが出来る範囲と異なり、
観光客が踏み入れない地域の長城は、まさしく土塁による築盛や
長城自体が崩落しており、足場が更に悪いことをガイドの方から聞いていた。

情報は錯綜しているが、ガイド自身の目でこの100㎞の行程を歩いて
見てきた訳ではないという。
季節・天候の状況も想定されず充分な装備を用意させなかったとも報道されている。
その曖昧な情報を元にツアー計画が立てられたのか、その点も不明でもあるという。

人々の行き渡らないエリアでの情報であれば、殊更“情報源”が何処に依るのか、
それを検証して活用しなくてはならないのであろう。

・細かい注意が無い
・ましてや企画した秘境を一度も見たことが無い
という会社の立案・旅行計画であったことを知れば、
今回犠牲になられた方々も手を挙げなかったのでは・・・
と考えられる。

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“安全とは何か”を考える II バーチャル症例検討会(21)

今回のツアーは2009年に北海道・トムラウシ山で8人が死亡した事故の際と
同じ旅行会社アミューズトラベル社が主催していた。
同社の会見では、トムラウシ山で低体温症によって人命が失われた
教訓を生かせなかった。

社団法人・日本山岳ガイド協会が公開した“トムラウシ山遭難事故報告書”に
詳細が記載されているので、先ずはご一読頂ければ幸いである。

クリックすると参照できます
トムラウシ山遭難事故報告書pdfファイル

トムラウシ山遭難事故調査特別委員会
座長 節田重節氏がトムラウシ山遭難事故報告書の冒頭に述べている、
一部を抜粋させて頂く。

日本の社会の高齢化とともに山で中高年の姿が目立ってきた。
とみにこの10 年ほどは、中高年からの登山入門者、
いわゆる「ビギナー組」を中心に、ツアー登山という新しい登山形態で山を
楽しむ人々が多くなってきている。しかし、ツアー登山といえども一般の登山と同じく、
そのフィールドは美しいが厳しく、恐ろしい自然が相手である。
安全に楽しむためには、自ずと知恵が必要であり、守るべきルールがある。
特にそれは危機的状況においてこそ、よりシビアでなければならない。
もちろん、組織にしても、個人にしても然りである。
そして、「山登りの実力」とはピンチにおいてこそ発揮されるべき力である。
その力とは何か。我々登山者は、トムラウシを「他山の石」として、
そこから多くを学ばなければならない。

 1955 年、世界第5 位の高峰、マカルー(8470 m)に初登頂、
しかも全員登頂という快挙を果たしたフランス隊の隊長、ジャン・フランコは記す。
「山は根気強い勤勉さと、沈着と、頑張りの学校だ」と。
それはまた、山という自然に対して「謙虚さを学ぶ学校」でもある。
 本特別委員会は、あくまでも普遍的な登山者目線でこの遭難事故を調査・検証し、
向後に資するため、ここに本報告としてまとめてみた。トムラウシ山の犠牲者が
身をもって教えてくれた、これらの山の教訓を、我々登山者はしっかりと胸に刻み、
常に事故のない、楽しい山歩きを心がけたいものである。

引用此処まで

好奇心から旅や仕事が始まることは間違いない。
しかし、一見楽しそうに見えても自然という美しくも、時に牙を剥く相手には、
これらの事例を事前に勉強し、節田氏曰くの“他山の石”としなくてはなるまい。

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“安全とは何か”を考える I バーチャル症例検討会(21)

今回、大変痛ましい事故の報道があった。

中国河北省の万里の長城付近で
・日本人ツアー客ら4名
・現地ガイド1名
・ツアー企画会社ガイド1名の6名が遭難。

ツアー客2人が死亡、1人が行方不明となっていた事故で、
北京の日本大使館は5日、行方不明者の死亡を確認した。

ツアー客の1名は、手と顎の凍傷はあるものの、現地の病院で
手当を受けているとのこと。

最終的にツアー客の3名が亡くなられた。
日本の彼の地を想いつつ亡くなられたのであろうか・・・。
客死の無念を考えると、痛ましい。

ご冥福を祈りつつ、安全とは何かを考えてみたいと思う。

合掌

To be continued

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バーチャル症例検討会(20) Discrimination PART X

プロローグ

私は国立小児病院で、宮坂先生から麻酔科学に関する薫陶を受けた。
クリックすると第1回を参照できます。17回シリーズになっています
師匠・8 宮坂 勝之先生

初日に、ボカンっと国立小児病院麻酔科マニュアルという分厚い本を渡された。

国小マニュアル

この分厚さを見よ!!!上下巻各々3㎝厚くらいだろうか。
内容濃く、麻酔と集中治療に関するノウハウが記載されている

“明日までに全部読んで来い!!!”
新人教育に情熱を滾(たぎ)らせる鬼軍曹・近藤医長に言われ、
唖然としたが、郷に入っては郷に従え、必死で読み込んだ。
(こういう鬼軍曹がいる病院は安全ですッ!!!)

そんなマニュアルを迷った時には、今でも紐解くようにしている。

国立小児病院麻酔科マニュアル42 p.p.

1.カルテ参照
    手術の目的はなんぞや?
    既往歴:過去の麻酔歴、家族の麻酔歴、呼吸器系既往、新生児人工呼吸など
        合併心畸形(これらは一応、麻酔科外来でチェック済み)
        体重・身長・生下時体重(低体重児での出生だと麻酔リスクが高いため確認)
        検査結果(血液・凝固系)
        入院後の状況:食事の摂取状況
       (下痢や嘔吐だけではなく、環境変化から食事が進まないことを考慮する)
        発熱、風邪症状などを看護記録でチェック
        患者の愛称・癖をみつけ患者診察に向かう

2.患者診察
    まずお話をして仲良しになる
    手足を触ってみながら以下を視診
    呼吸状況は?
    聴診器を用いて呼吸音は? 心音は?etc.

    最後に、口腔内診察
    (いきなり最初に口の中を診察すると泣いてしまって、その後が続かなくなるため)


事細かに方法が記載されているが、それ以前に
小児に対する最初のアプローチ

それは、患児・お母さんとお友達になること

木を見て森を診ず(患部を見て身体全体を診ず)、ではダメなんだ。

私は宮坂先生に厳しく育てられたことを、今でも感謝してやまない。

Fin

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